中根公夫 愛しき面倒な演劇人 名プロデューサーが明かす知られざる素顔

早川書房「悲劇喜劇」連載中「プロデューサーの大遺言」

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

朝倉摂さん : 摂ちゃん 摂バア バアルフレンド  

ー愛しき面倒な演劇人 名プロデューサーが明かす知られざる素顔(5)ー(悲劇喜劇2018年5月号) 朝倉さんは著しく評価の上下する人だ。従ってその名も動詞変化の様に変化する。 「摂ちゃん」は摂ちゃんの評判がそんなに悪くない時だ。そんな時は持前の人柄が…

アラン・リックマン 大きな優しいセント・バーナード犬

ー愛しき面倒な演劇人 名プロデューサーが明かす知られざる素顔(4)ー(悲劇喜劇2018年3月号) アラン・リックマンといえば、いつも大きなセント・バーナード犬を連想する。そう、あのハリー・ポッターに出てくるスネイプ先生だ。映画の印象とは違って、私…

太地喜和子 可愛い女伝説

ー愛しき面倒な演劇人 名プロデューサーが明かす知られざる素顔(3)ー(悲劇喜劇2018年1月号) もう亡くなった人だが、太地喜和子は良い役者だった。私は秋元松代先生作の『近松心中物語』や『元禄港歌』などで、散々付き合って公私共によく知っている。役…

田中裕子ちゃんと一杯呑んだ話

ー愛しき面倒な演劇人 名プロデューサーが明かす知られざる素顔(2)ー(悲劇喜劇2017年11月号) 田中裕子さんのことはずっと裕子ちゃんと読んでいる。私は役者と狎れあうタイプのプロデューサーではないのだが、裕子ちゃんは最初から裕子ちゃんだった。あ…

怒りん坊な秋元松代先生

ー愛しき面倒な演劇人 名プロデューサーが明かす知られざる素顔(1)ー(悲劇喜劇2017年9月号) 題名に「先生」と付けたのは、没後16年を経た今でも全面的な畏敬の念と共に三分の恐怖が残るからだ。先生は怒りん坊だった。はっきり云えば単に怒りん坊という…

愛すべき面倒な人

ー追悼・平幹二朗ー(悲劇喜劇2017年3月号) 平幹二朗が名優であり、名優といえば平幹二朗と相場が決まったのは、そんなに昔のことではない。やはりそれは蜷川幸雄との出会いがあり、『三文オペラ』や『ハムレット』などを経て、『王女メディア』『近松心中…

いわゆる「世界のニナガワ」

ー追悼・蜷川幸雄ー(悲劇喜劇2016年9月号) 蜷川幸雄演出の芝居を海外で上演しようと考え始めたのは、1980年の『NINAGAWA・マクベス』の公演の頃だったと記憶する。蜷川を最初に大劇場の演劇に私が誘って、蜷川がそれに応じ結果自分の劇団を解散して、運命…